墓標


それは去りゆく旅人の背中
誰もいない海に手を振る

ここに捨てるのは
いつか拾いに帰るため

手酷く痛め付けるのは
この手で傷を癒すため

跡形もなく壊すのは
また新たに創るため

何度も転ぶのは
何度も立ち上がるため

何度も忘れるのは
何度も思い出すため

さよならは
いつかまた会う日まで

それはどれもが
根源的に同じこと

結局ここには何もない
ただ吹き荒ぶ潮風があるだけ

他には何もない
でもそれが全て