アラベスク


人影のない廊下で
耳にする
ゆるやかで淀みない旋律

あの子の
硝子細工のような指先が
目に浮かんだ

朝靄に煌く音楽室
柔らかく差す光と
うるおい澄んだ空気
褪せたカーテンが揺れる

あの子の
伏せ目がちな横顔が
好きだった